路線バス運転士の乗務記録 ①朝編
路線バスの運転で私が最も緊張するのが朝の通勤時間帯です。
郊外の住宅地から最寄りの駅までの路線です。
ピークの7時台では立ち客で満員となり、発進、ブレーキ操作で衝動をできるだけ減らすために、全ては私の右足左足の動きにかかっています。また電車接続の時間もありますので、車内のピリピリ感が伝わってきます。ですから、運転席では無理をしない程度にギリギリの信号のタイミングでもねじ込む気持ちで集中しています。
無事に駅に到着すると、
一人ひとりに「有難うございました。」と挨拶しながら、それがなかなか終わらず、
「こんなに沢山乗せてたんだ。」「何事もなくてよかった。」
と、本当にホッとしますね。
それに加えて、いつもはクールなサラリーマンの方から
「ありがとう!」「おつかれっ」て声をかけていただくと
達成感と嬉しさが込み上げてきます。
逆に不機嫌に降りて行かれる方もいます。なかなかパーフェクトな運転は
難しいですが、何がまずかったのか振り返ります。または、「今日大事な仕事が控えていてシビアな気持ちになっているんだろうな」とか思うようにしています。
折り返し、大方の通勤方向とは逆の行き先までまた運転開始です。渋滞方向とも逆でスイスイだし、乗客も全員着席です。本日のヤマ場が終わって緊張がやや緩んでいる・・・
私はこんな時が危ないと思っています。
調子に乗らないように、ブレーキ、ギアチェンジ操作も先程と変わらず
慎重に行います。
すれ違う同僚も大変緊張した面持ちでニコリともしません。それでいいのです。
とにかく無事に乗客を目的地までお連れすること!
です。
ではまた。